2006年05月14日

読まないだろうけど

 5月の風が爽やかに頬をなでられながら、古本を物色するのはなかなか気持ち良い。今日は地元図書館主催の『図書館祭り』の一環で、図書館の玄関先の30メートルくらいのスペースを使って古本の即売会が開かれた。

 開始は午前10時。10時5分頃車で図書館に着くと、駐車場はほぼ満車状態。売り場に行くと、もうおじさん達が、ハイエナのように古本を漁っている。中には両手に20冊くらい持っているおじさんもいて、古本マニアなのかなと感じる。出遅れたかなぁとちょっと焦る。

 本が詰まった小さな段ボールが、直接地面にいくつも置かれている。それを端から眺めていくが、あまり私の好みの本がない。前述の20冊くらい持っているおじさん程ではないが、手に数冊抱えているお客さんは多い。私の興味の範囲や知識が少ないので、本が見つけられないのかなと感じる。

 それでも引っかかった本が3冊。『ちひろのことば』、『ちひろへの手紙』、『いわさきちひろの絵と心』。3冊共に講談社文庫。いわさきちひろの絵が好きなので。いづれもカバーにあったであろう応募券の類の部分が三角に切り取られ、状態に難がある。でもまぁ1冊50円だし、我慢どころか。中身はちょっとした画集になっている。文庫版の画集というのは好きだ。寝転がって観るにはちょうど良いサイズだから。

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   ↑本日の収穫。

 でも正直あんまり読まないだろうな。あんまり読まないだろうけれど、お祭り気分で買うところがある。回りが買っているのに、何も見つけられないのが悔しいし。何を競っているんだか。でももし回りにお客が一人もいなかったら、張り合いがなくて、買わないで帰ってたかもしれない。活気がある雰囲気だから、購買意欲が湧くというものだ。

 段ボールの列を何周かして見落としがないか確認してみたが、特になし。これ以上無理に買っても、無駄に本が増えるだけだから、見つからなくて良かったのか。

 それにしても椎名誠の本が大量に出ていた。椎名ファンが、ファンを卒業したのだろうか。文庫からハードカバーまで、何冊もあった。私が高校の頃は、椎名さんの大ブームだったことを思い出す。私が何回か巡回しても、あまり売れてなかった。流行廃れというものを見た気がして、少し寂しい。

 会計に行くと、レジ係のおばさんは本の値段を知らない。「いくらの本ですか?」とこちらに聞いてくる。自己申告制の会計だ。まぁ価格が50円と100円の2種類しかないのだが。

 商売っけのない、のんきな田舎の古本即売会。五月の風が、店員のおばさんと私の間にのどかにそよいでいった。
posted by 諸星ノア at 15:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本

2006年04月03日

風に飛ばされそうな一日

 昨夜父に取引先まで車で送って欲しいと頼まれたので、今日は7時起床。8時頃家を出た。今日は皮膚科に行く予定だったので、父を送ってから回ろうと算段する。

 ただでさえ父と二人きりは緊張するのに加え、初めての場所なのでさらに緊張。父の仕事の待ち合わせ時間までに行かねばならないから、うまく着けるかどうか。ハラハラ。
 
 今日は風がものすごく強い。私の軽自動車は、強風にあおられる。これじゃ咲き始めた桜が、すぐ散ってしまいそうだなぁ。

 30分ほどで、なんとか取引先に到着。無事役目は終わった。ヤレヤレ。

 その足で、今度は皮膚科クリニックのある某市まで向かう。

 診察開始間もない時間に着いたが、すでにクリニックは満員。平日の月曜日の午前中なのに、何故こんなに混んでいるのか。持ってきた『気まぐれ古書店紀行』(岡崎武志著)を読む。

 話はそれるが、『気まぐれ古書店紀行』は好評みたいで、昨年12月に発売されたのだが早くも重版されるらしい。岡崎さん、おめでとうございます。しかし彼のブログによれば、加筆修正多く、添えられたイラストも変えてしまう箇所があるそうだ。だから初版と重版では、内容が微妙に違うようだ。そんな〜、高い本やさかい、重版なんて買えまへんでぇ。ブックオフに出るか、文庫版になるのを待ちまひょ(岡崎さんは大阪出身なので、下手な関西弁で言ってみた)。

 名前を呼ばれたのは、30分後くらい。ここ2週間くらい唇の荒れが酷いので医師に相談。乾癬の飲み薬の影響かもしれないと言われる。付け薬をもらう。小さい容器で二個出すから、(一方は)仕事場にも持っていって、日に何度も塗ることを医師に指示される。仕事場・・・ね(苦笑)。

 岡崎さんの本を読んでいると、つい古本屋巡りしたくなり(単純)、クリニックが終わった後近くのブックオフへ。2冊ほど買ってしまう。『ミラーマン大全』(白石雅彦編著/双葉社刊)と『炎の言霊 島本和彦名言集』(島本和彦著/朝日ソノラマ刊)。『ミラーマン大全』は値段が高い本で手が出なかったもの。半額でゲット。往年の円谷特撮ヒーロー・ミラーマンの研究本だ。『炎の言霊』は、燃える漫画家・島本和彦さんの作品から、熱い言葉(セリフ)をピックアップしてまとめたものだ。例えば「無謀な目的が―常識的な手段で達成されるはずがあるまいっ!!!」、「時間が人を左右するのではない・・・人が時間を左右するのだ」など。この言い切りが、島本作品の大きな魅力の一つだ。

 帰宅後は疲れが出て、昼食を取った後はベットで『ミラーマン大全』なぞを読みながら、やがてウトウト。外では風がゴウゴウと唸っている。

 夕方頃目覚め、漫画を少し進める。

 夜は番組改編期のため、スペシャル番組ばかり。しかもどれも興味がないものばかり。母は居間のテレビで、『TVのチカラ』(テレビ朝日系)を熱心に観ている。誘拐や殺人の未解決事件の公開捜査番組。近所で事件が起こったら、私は無職ということで、疑われそう。観ていてそんな風な想像をしてしまい、気分が暗くなり、夕食後は自室に戻る。

 外では今も、春の風がゴウゴウと鳴っている。風に吹き飛ばされそうな、たいしたことない私の一日。
posted by 諸星ノア at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本

2006年03月19日

古本巡り

 古本好きの古書店好きの血が騒いだ。昨日母に付き合って、久しぶりに古書店へ行ったからかもしれない。散財するから行かないようにしているが、押さえていた気持ちが出てしまったらしい。

 なんだか無性に『サザエさん』が読みたくって、ブックオフへ車を飛ばした。文庫の『サザエさん』を求めてだ。

 休日のせいか、駐車場はほぼ満杯。新古書店は、ちょっとしたレジャースポットになっているらしい。マンガ文庫コーナーへ行くと、あった、『サザエさん』。不揃いに文庫版を持っているのだが、持ってない巻を3冊ほど選び出す。

 何気なく他に目をやると、ちばてつやの『1・2・3・と4・5・ロク』の文庫を見つける。少女漫画で、1962年の講談社児童まんが賞受賞作品だ。全2巻。パラパラ眺めると、ほのぼのしていて面白そうだ。1960年代のマンガって、線が非常に丁寧なのだが、この作品もそうだ。よし、買ってしまおう。

 さらに店内を歩いていると、前から欲しかったが値段的に保留していた本が。『藤子不二雄論 FとAの方程式』(米沢嘉博著/河出書房新社刊)。定価の半額だ。思わぬところでこういう出会いがあるのが、古本屋巡りの醍醐味だ。これも買っておこう。手塚治虫やつげ義春など、作家論を語られる有名作家がいる中で、藤子不二雄の二人はビックネームにもかかわらず、作家論を語った本がほとんどなかった。そんな中で出されたのが本書である。ちなみに著者の米沢嘉博さんは、かのコミックマーケット(コミケ)の代表である。

 『サザエさん』だけと思っていたが、随分増えてしまった。この辺でストップしておく。今までたまったサービス券を使って、購入。

 古本屋に向かう最中や、古本巡りをしている間、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本vs韓国の準決勝をずっとラジオで聴いていた。私は野球ファンではないけれど、疑惑のアメリカ戦あたりから私のにわかナショナリズムに火が灯り、興味を持っていたのだった。

 いやぁ、勝って良かった。1勝2敗からの決勝進出。まさにプロジェクトXだ。決勝頑張って欲しい。

 野球の後は、大相撲だ。

 関脇白鵬は、大関千代大海を叩き込みで下し、勝ち越しの8勝目。大関取りに加えて、優勝戦線を引っ張る存在である。

 大関栃東は、相手の琴光喜に上手を取られて良いように攻められるが、我慢して勝機を待ち、外掛けからの上手投げで勝った。2敗をどれだけ守れるか、栃東の苦闘はあと7日間続く。長いなぁ。

 横綱朝青龍は、黒海に勝って勝ち越しの8勝目だけれど、どこか本調子ではない感じ。白鵬初優勝も現実味を持ってくる。栃東も2敗を守って上位戦に入れば、勝機はある、と見たが・・・。

 大河『功名が辻』は、第11回「仏法の敵」。比叡山延暦寺攻略戦の話。織田信長の命で、非武装の僧や女子供まで殺さねばならない家臣の苦悩。明智光秀(演:坂東三津五郎)は信長に抗議するが、結局命令を聞いて、助けをこう僧を刺し殺す。山内一豊(演:上川隆也)は、女子供の前にためらっている時、上司の秀吉(演:柄本明)の機転で、殺さずにすむ。

 非武装の女子供を殺さねばならない戦場の非常さに、心重くなる回であった。

 こういう時には、『サザエさん』で心を和ませる。いつ見ても面白い。所々大笑いしてしまう。時事ネタは時代を感じさせるものの、今でも通用するようなネタも多いので、笑えてしまう。長谷川町子さんは、すごいな〜。
posted by 諸星ノア at 22:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 古本