開始は午前10時。10時5分頃車で図書館に着くと、駐車場はほぼ満車状態。売り場に行くと、もうおじさん達が、ハイエナのように古本を漁っている。中には両手に20冊くらい持っているおじさんもいて、古本マニアなのかなと感じる。出遅れたかなぁとちょっと焦る。
本が詰まった小さな段ボールが、直接地面にいくつも置かれている。それを端から眺めていくが、あまり私の好みの本がない。前述の20冊くらい持っているおじさん程ではないが、手に数冊抱えているお客さんは多い。私の興味の範囲や知識が少ないので、本が見つけられないのかなと感じる。
それでも引っかかった本が3冊。『ちひろのことば』、『ちひろへの手紙』、『いわさきちひろの絵と心』。3冊共に講談社文庫。いわさきちひろの絵が好きなので。いづれもカバーにあったであろう応募券の類の部分が三角に切り取られ、状態に難がある。でもまぁ1冊50円だし、我慢どころか。中身はちょっとした画集になっている。文庫版の画集というのは好きだ。寝転がって観るにはちょうど良いサイズだから。



↑本日の収穫。
でも正直あんまり読まないだろうな。あんまり読まないだろうけれど、お祭り気分で買うところがある。回りが買っているのに、何も見つけられないのが悔しいし。何を競っているんだか。でももし回りにお客が一人もいなかったら、張り合いがなくて、買わないで帰ってたかもしれない。活気がある雰囲気だから、購買意欲が湧くというものだ。
段ボールの列を何周かして見落としがないか確認してみたが、特になし。これ以上無理に買っても、無駄に本が増えるだけだから、見つからなくて良かったのか。
それにしても椎名誠の本が大量に出ていた。椎名ファンが、ファンを卒業したのだろうか。文庫からハードカバーまで、何冊もあった。私が高校の頃は、椎名さんの大ブームだったことを思い出す。私が何回か巡回しても、あまり売れてなかった。流行廃れというものを見た気がして、少し寂しい。
会計に行くと、レジ係のおばさんは本の値段を知らない。「いくらの本ですか?」とこちらに聞いてくる。自己申告制の会計だ。まぁ価格が50円と100円の2種類しかないのだが。
商売っけのない、のんきな田舎の古本即売会。五月の風が、店員のおばさんと私の間にのどかにそよいでいった。