『ゲゲゲの鬼太郎』でお馴染み、水木しげる先生の弟子だけあり、森野先生の画風は、師匠そっくり。

↑『もがりの首』。
水木ファンの私としては、そこがツボなので、今回は待望の新刊。
ただ師匠の作品は、画面がどこかひょうひょうとして、話も淡々と進行しているのが特徴ですが、、森野作品は、ダイナミックで動きのある画面作りがなされています。話も、登場人物の情念を描いているものが多いです。
さて『もがりの首』は、妖怪のような人型の異形童子・もがりが、非業な死を迎えた者にかわって、妖術を使って恨みを晴らす話。
印象深いのは、第三話「善意」。
小説を書いたことがないが大作家だと信じて働かない父親が、代わりに娘を働かせる。娘は父親の才能信じている善意の人なので、喜んで働く。その娘が過労で病死すると、今度は娘婿が義理の父のために、善意で生活費を工面する。
ところが父はその善意に気づかず、娘婿に保険金をかけて、毒殺する。
この父親の、働かずに自分の好きなことをしている点が自分に似ていて、考え込んでしまった。
さすがに私は彼のように、自分に才能があるとか、盲信することはないんですが。それにこんな私でも、両親には申し訳ない気持ちがありますし。
回りの善意が、人をダメにするという話なんだけども、なかなかに人生の皮肉をよく描いています。
こういうシニカルな作風も、水木先生譲りかもしれません。
もっと森野先生の作品が読みたいです。
※プロ野球・セパ交流戦たけなわということで、アニメ『侍ジャイアンツ』(1973年/原作:梶原一騎・井上コオ/東京ムービー)から、第2期OP「王者!侍ジャイアンツ」です。
いつ聴いても、燃える歌詞とメロディ。
作詞/梶原一騎、作曲/政岡一男、歌/ロイヤルナイツ
王者! 侍ジャイアンツ(full) by ロイヤルナイツ
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