元大相撲関脇・貴闘力のプロレスデビュー戦です。
父が仕事の付き合いでチケットを買ってきたので、観戦の機会を得たのでした。
以下観戦記なので、興味のない方は、スルーで結構です。
会場は、東京渋谷区にある、国立代々木競技場第二体育館。NHK放送センターの近くですね。試合開始は、18時30分。

↑代々木競技場第二体育館。
貴闘力の試合は、リアルジャパンプロレスの興業で行われます。
初代タイガーマスク=佐山サトルが興した、プロレス団体です。

↑大会ポスター。
貴闘力は、1967年生まれの現在46歳。野球賭博問題で角界を追われ、今は「焼き肉ドラゴ」を経営する実業家です。
元々プロレスファンである彼は、佐山サトルとも親交があり、貴闘力の長男は、現在リアルジャパンでプロレス修行中です。
そんな貴闘力と「邪道」大仁田厚の間に因縁抗争が勃発。プロレスデビュー戦で激突となったのです。
デビュー戦は、タッグマッチ。しかも大仁田の要求通り、凶器持ち込みなんでもありのデスマッチ。
貴闘力&鈴木みのるvs大仁田厚&矢口壹琅(いちろう)。
貴闘力のパートナーは、新日本プロレスでも活躍するフリーの実力者、鈴木みのる。
大仁田のパートナーは、このところ大仁田と行動を共にしている「戦うミュージシャン」矢口壹琅。
大仁田組は、入場時に、有刺鉄線を敷き詰めた畳一畳大のベニヤ板ボードを二枚を持ち込み、リングの対角線上のコーナー2カ所に設置。さらに長机2脚を、空いているコーナー2カ所に設置して、貴闘力と鈴木みのるを待ち受ける。

↑待ち受ける大仁田と矢口。
いきなり場外戦となり、貴闘力流血。
さらに大仁田&矢口は貴闘力を有刺鉄線ボードに叩きつけ、パイプイスで頭部を撃ち抜きく!
大仁田組の凶器攻撃を、真っ向から受けきる貴闘力は、大相撲時代気の強さで鳴らしただけのことはありました。
壊れた長机の破片でぶん殴られても仁王立ちの貴闘力は、怒りの張り手とのど輪。
要所要所に鈴木が貴闘力を好アシストし、貴闘力が矢口を張り倒して、フォール勝ち。場内、大盛り上がり。
負けた大仁田組ですけど、改めて、大仁田の試合の盛り上げ方は超一流だなと、感心しました。ダテに39年、プロレスで飯食ってないです。
とにかく大仁田&矢口が攻めまくることで、プロレス初心者の貴闘力を上手くリードしているわけですから。ヒール=悪役が試合を作るとよく言われますが、そのセオリー通りの内容。
それにこの日はプロレスファンよりも、会社単位でチケットを買って貰って集まっている、一見さんの観客が多いから、バカバカしくても、こういう分かりやすい内容が受けます。
なんというか、見せ物として、すごく面白かったですね。
それと、それまでの試合がしょっぱい内容が多かったので、メインが盛り上がって良かったなという感じもあります。
貴闘力デビュー戦の前の試合、ダブルメイン扱いの、初代タイガーマスクvs齋藤彰俊のシングルは、外連味のない試合でそこそこ盛り上がりましたけど、いかんせん、初代タイガーのスタミナがなさ過ぎでした。
序盤は鋭く重い蹴りで齋藤を苦しめたタイガーも、中盤からスタミナ切れで動きがピタッと止まります。ここから齋藤が後半にかけて、大技で攻めまくったから試合が保ちましたけど。最後はタイガーが、往年の必殺技・タイガースープレックスホールドで勝ちました。
初代はやっぱり、太り過ぎなんです。選手紹介の際、103kgとコールされてましたけど、観客から「エーッ!」と驚きの声が(苦笑)。もっとあるだろ、と。どう見ても120kgの齋藤と、体型が変わらないですからねぇ。

↑体型に差がない、初代タイガー(左)と齋藤(右)。
あと酷かったのが、力道山の孫、力(ちから)。力道山二世でお父さんの百田光雄と、ベテランの折原昌夫と組んで、グラン浜田&ウルティモ・ドラゴン&間下隼人と対戦してましたけど、チョップ以外に何も出来なくって・・・。
力は、力道山の技を継承するということで、得意の水平チョップを繰り出すんですけどー
対戦相手を相手コーナーまで、チョップの連打で追い詰めてから、自軍のコーナーまで戻って折原にタッチするという(苦笑)。動きがちぐはぐすぎます。
その他、動きの悪いベテランとか、プロレスがあまり上手くない格闘家だったり、しょっぱい試合続き。
そんな時、会場の空気を変えてくれたのが、プロレスマニアらしき観客の野次。
観客の言葉にならない不満を、彼らの野次が的確に代弁しているので、館内がドッと湧きます。失笑の嵐。
平成に入ってから、しょっぱい試合を、マニアが野次でいじって館内を盛り上げる傾向が出来上がりましたけど、今でもその伝統(?)は、息づいてますね。
興業が終わり、駅に急ぐ観客同士の会話に耳を傾けると、皆さん口々に言っているのが、「大仁田が面白かった」と「野次が面白かった」でした。
ただ佐山サトルはリアルジャパンで、「師匠アントニオ猪木から受け継いだ、真のストロングスタイルの復興」を唱えているので、そうなると大仁田のガチャガチャした試合が一番盛り上がり、野次でいじられるしょっぱい試合ばかりというのは、問題なんじゃないかなぁとは、思います。
※伝説の初代タイガーマスクの試合をどうぞ。
1983年6月2日、蔵前国技館にて。NWA世界ジュニアヘビー級王者決定戦、タイガーマスクvs小林邦昭。
1983年6月2日 初代タイガーマスクvs小林邦昭
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