昨日は、小橋の試合中心に書きましたが、今回はその他の試合について、感想など書いてみたいと思います。
第1試合スタート前に、懐かしいテーマ曲が流れます。こ、これはー
元FMWのハヤブサ!
試合中の事故が元で、全身不随でレスラーを引退してしまいましたが、現在は松葉杖で歩ける状態に。ゆっくりながら、花道の奥に登場し、大会の開会宣言。
館内に響く、大ハヤブサコールに、私は涙腺がゆるんでしまいました。プロレスファンって、温かいなぁって。
ハヤブサの名台詞、「お楽しみは〜これからだ〜!!」で大会スタート!

↑ハヤブサ!
第1試合は、渕正信(全日本プロレス)vs熊野準(NOAH)。
渕正信が「デンジャー・ゾーン」に乗って花道を歩いてくると、もう会場内は大フッチーコール。90年代黄金時代の全日本プロレスが、ここに戻ってきたかのよう。
対する熊野は、NOAH7年ぶりの新人レスラー。7年も新人が出ないところに、現在のNOAHの大きな問題点がありますがー。
渕と熊野は、年齢差38年差、キャリア39年差のジェネレーションギャップ対決。ぽっこりお腹のフッチーですが、ボディースラムだけで観客をうならせる、熟練の試合ぶり。一気に投げず、抱えてためを作ってから、マットに叩きつける。かつて全日本では、ジャンボ鶴田が、こういうスラムを打ってました。スラム一つでも、投げ方の工夫で、技が生き返ります。

↑円熟のボディースラム。
さらにフッチーは、ドロップキックで熊野の顔面を打ち抜く!
小橋建太も、新人の頃は、渕と戦って、全日流のプロレスを叩き込まれたんですね。
第2試合は、石狩太二&小峠篤司vsSUWA&平柳玄藩。
NOAHのジュニアヘビー級対決です。石狩は、現GHCジュニアヘビー級王者で、SUWAと平柳は、現GHCジュニアヘビー級タッグ王者。
平柳は、ピンクのショートタイツで登場。この前振りは、全日ファンならピンと来る。そう、引退した永源遙が、ピンクのショートタイツであり、彼の持ち芸が、リングサイドのお客にツバを吐くこと。別名永源シャワー。対戦相手に胸を叩かれると、プファーッとツバを吐くんですな。客は、東スポを開いて、ツバを防ぐのがお約束です。

↑平柳のツバ攻撃。
その通り、平柳は、リングサイドにツバ攻撃。観客はやんやの喝采!続いて、民主党元代表の野田佳彦の方にもツバ攻撃!こういうシャレは、プロレス好きの野田さんなら、OKでしょうね。多分。
石狩がSUWAに向かって、コーナーからダイブして飛びついた際に、SUWAは受け損なった感じで、立ち上がれなくなる。とっさに石狩がコーナーから450°スプラッシュをSUWAに見舞って、カウントスリー。アクシデントで、フィニッシュをその場で変更したっぽかったです。
第3試合は、鈴木鼓太郎(バーニング)&青木篤志(バーニング)vs本田多聞(フリー)&志賀賢太郎(フリー)。
小橋建太がリーダーを務めたユニット、BURNING。本田&志賀は全日本時代のBURNINGメンバーで、鈴木&青木は秋山準とNOAHを退団した後、秋山が率いているバーニングに所属し、全日本プロレスに殴り込み中。この試合は、新旧のバーニング対決です。
志賀はきちんとセットしたパンチパーマをいじられると怒るというキャラなので、それがこの対決を楽しむポイントになっています。
本田と青木は、元自衛隊でアマレスをやっていた経歴なので、序盤はレスリング対決となり、なかなか面白い。足の取り合いや、バックの取り合い。そこに、志賀のコミカルなファイトがブレンドされる。
でも中盤あたりから、試合がダレ始めてしまい、館内は微妙な雰囲気に。特に若い鈴木&青木が、動きは良いのに、面白みがないというか・・・。これが、NOAHスタイルが、飽きられてるパターンだと思われるけど・・・。
全日本でこれからの活躍が期待される鈴木&青木が、少し心配になる。
最後は鈴木と志賀の丸め込み合戦で、鈴木が志賀をピンフォール。
ここからは、昨日書いた、小橋建太引退セレモニーです。
それを挟んで、第4試合。天龍源一郎(天龍プロジェクト)&小川良成(NOAH)vs森嶋猛(NOAH)&井上雅央(フリー)。
若手時代の小橋を叩きつぶした、「ミスタープロレス」天龍。80年代に全日マットを活性化させるべく結成された天龍同盟のメンバーだった小川。全日本を席巻した天龍同盟が、久々に見参。対するは、NOAHのヘビー級トップの森嶋と、元NOAHの井上雅央。雅央は、「マサオ・ワールド」と呼ばれる、コミカルなファイトが信条。
天龍は、近年痛めていた腰を治療するため、手術を2回経験。術後もかなり厳しい状態だと聞いていたんですが、花道を歩く天龍が、腰をかばいながらゆっくりだったので、やっぱりという感想。元気で、打たれ強い頑丈なボディーだったから、衰えたなぁという寂しさがあります。身体もしぼんじゃったし・・・。
得意の天龍チョップも、足腰が踏ん張れるから、チョップに力が入るんでしょうが、今の状態では手打ちになってしまって・・・。でも、まだ天龍がチョップを見ることができることは、嬉しいです。天龍が大好きだったので。

↑雅央に、天龍チョップ!
試合を明るくしたのは、やはりマサオ・ワールド。天龍のチョップを上手くセールしてくれるし、ボケを繰り返すファイトに、爆笑。
さらにレフェリーが、和田京平なので、天龍組への贔屓レフェリングが、また笑いを誘います。
森嶋は、よたよたの天龍に、重爆のミサイルキックや、ヒップアタックを繰り出し、良い味をだしてます。なかなかに、面白い試合でした。最後は、小川が雅央を丸め込んで勝利。

↑京平さんが入ると、いかにも全日本になる。
ここでトイレ休憩。
休憩中に館内には、「スピニング・トー・ホールド」や、「アイアンマン」、「勇士の叫び」、「仕事人のテーマ」等々、往年の全日登場レスラーの入場テーマが流れて、ノスタルジーに浸れます。
第5試合は、NOAHvs新日本プロレス対決。杉浦貴(NOAH)&モハメドヨネ(NOAH)&齋藤彰俊(フリー)vs棚橋弘至(新日本)&永田祐志(新日本)&小島聡(新日本)。
新日のエース、棚橋のテーマがかかって登場すると、いっぺんに館内が華やぎますね。新日のレスラーは、それぞれキャラが立ってるので、NOAH勢が本当に地味に見えちゃう。

↑華のある棚橋。
一人杉浦だけが、殺気だって、棚橋に向かっていってました。
棚橋はちっこいですけど、杉浦はさらに小さくて、少しビックリ。今は良い選手は、小さい人が多いんですね。
棚橋は、敵地での試合なので、ヒールよりのファイト。それがまた、カッコイイんですな。それと彼のハイフライ・フローは、今回生で初めて見ましたけど、躍動感があって、美しかったです。棚橋がハイフライ・フローから、齋藤をフォール。



↑棚橋のハイフライ・フロー!銭がとれる技だね。
セミファイナル第6試合、高山善廣(高山堂)&大森隆男(全日本)vs鈴木みのる(パンクラスMISSION)&丸藤正道(NOAH)。
かつて全日本〜NOAHにかけて活躍したタッグチーム、高山&大森の「ノーフィアー」が、今宵復活。対するは、元GHCタッグ王者・鈴木&丸藤。現在鈴木は新日を主戦場にしていますから、久しぶりにタッグ結成。
大森がNOAHを退団してからは、高山は彼のダメぶりを時々雑誌などで語ってましたが・・・。高山と鈴木は、他団体では軍団を結成したりする、盟友関係。
試合が始まると、鈴木の挑発的でトリッキーなファイトが、館内を湧かせます。大森は、全日では「ワイルド」さを売りにしているんですが、鈴木に頬を張られても全くやり返さないというか、終始煮え切らないファイト。
高山が大森にダメだししていたのも、分かる気がします。本当にワイルドなのは、鈴木みのるの方なのは明か。
ただ高山も、動きがだいぶ鈍くなって、スロー。往事の迫力を感じないし。
結果、期待感大きかったノーフィアーも、ふがいない感じ。ほんと、大森はしょっぱかった・・・。
それでも往年の合体技を見せつつ、試合は丸藤が高山の右脚にタックルに来たところを、高山が膝蹴りを合わせる。その後に高山のエベレスト・ジャーマンが決まってカウントスリー。なんとか、ノーフィアーの勝利。

↑ノーフィアーの合体技が、やっと炸裂。
でもこの試合を救ったのは、鈴木と丸藤でした。

↑試合後、やれやれという感じの、鈴木&丸藤。
久しぶりのプロレス生観戦でしたけど、普段声を張り上げることはないんですが、試合を観ていると、自然と大声を出している自分がいました。自然と前のめりになってしまう。
摺れてしまったファンだけど、生になれば声が出てしまう。自然と元気になる。枯れた心が、少し潤うような、そんな気分を久々感じました。何年ぶりかってのが、良かったせいもあるでしょうが。
私がいた席は、2階席でしたけど、40代くらいの私とほぼ同世代くらいの男女が多かった中で、20代くらいの若いファンもちらほらいましたね。
彼らの話しぶりが耳に入ってくるんですが、まだまだプロレスをガチであるというか、部分的にガチがあると解釈している感じで、まだまだプロレスを信じている人はいるんだなぁと変に感心しました。
この日に来た人達の大半は、多分ですが、小橋の引退と共に、プロレスともさよならしそうですが、やっぱりプロレス界としては、新たなファンを獲得することが急務でしょうね。
プロレスというものは、遅かれ早かれ、卒業していくもんですから、問題は入学者をもっと多くすることでしょう。
そのためには、AKB48の力など、当然必要でしょうね。彼女らの方が、テレビなどメディアの露出が大きいですから、それを使わない手はないでしょう。この日に、倉持明日香が来た意味は、大きいと思います。
随分前に、新日本の『ワールドプロレスリング』が、バラエティ形式の『ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング』にして、ひんしゅくを買っていました。私も嫌いだったんですが、でも一般層を狙うという指向は良かったかも。
あれがダメだったのは、プロレスをあまり知らない山田邦子が司会をしてたりが大問題でした。その後もプロレスを知らない乙葉を、イメージガールに起用して失敗してます。
要は、プロレスファンであるタレントを起用すれば、プロレスファンも、一般層も納得するんじゃないかと。例えば、壇蜜などは、昔川田利明が好きだったとか言ってるのだから、そういう多少なりともファンであるタレントを起用すれば、まだまだプロレスファンの入学者を増やせるんじゃないでしょうか。
離れていったファンは、基本的に戻ってこない。プロレスの仕組みに気づいてしまった人は、戻ってこないでしょう。それでも粘着して見続けるのが、マニアと呼ばれる人達であって。私もその中に入りますが・・・。
いかに新規を取り込むか。そこをプロレス団体には、頑張って欲しいです。
それと、プロレスはショーであっても、誰が勝つのかというポイントが大事です。技の披露に走るのではなく、如何に勝つのかという点で試合を組み立てないと、つまらないです。
久々のプロレス観戦で、色々プロレスについて考える機会にもなりました。
ー小橋建太引退記念試合〜FINAL BURNING 2013.5.11〜 その2(了)。
※小橋建太のファンが、ベストバウトを編集した映像です。
小橋建太 引退記念ベストバウト
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