2006年05月09日

駄菓子屋

 駄菓子屋に通った世代は、今30代の人々が最後かなと思ったりする。全然根拠のない予想だが。20代以下になると、駄菓子屋はコンビニに存在を追われたのではないか。

 昭和30年代ブームを受けて、NHKラジオの『ふれあいラジオパーティー』では、今夜は駄菓子屋の特集だった。昔と今の駄菓子屋事情を文化人タレントなどが語り合う。

 30代後半の私は、小学校低学年くらい頃駄菓子屋に通った。家から子供の足で20分くらいのところに、駄菓子屋があった。正式な店名はあったらしいが、覚えてない。子供達からは「サービス屋」と呼ばれていた。店主のおばあさんがよくオマケしてくれるからというのが由来というのは、当時近所の子から聞いた。しかし私の記憶では、親子連れの客にサービスが集中し、子供だけで行った時はあんまりサービスしてくれなかった気がする。

 木造の小さな店舗だった。住居と一体化している店。お店部分は、四畳半くらいしかなかったような気がする。『ふれあいラジオパーティー』では、駄菓子屋に行くきっかけは、子供同士の口コミだったというのが出演者の一致した意見だった。決して親や教師が教える店ではなかったというのは、私も経験的に分かる。サービス屋に行くきっかけも、近所の男の子グループが教えてくれたような気がする。

 サービス屋で何を買っていたか。記憶にあるのは、駄菓子はあまり買わなかった気がする。そのかわりオモチャ関係をよく買ったのを覚えている。

 特撮ヒーローやアニメのカードとか、200円くらいの簡単に組み立てられるプラモデルなど。青島文化教材とかイマイとかのプラモデルメーカーを覚えているのは、30代以上の男子だろう。そんな愛すべきB級プラモが、駄菓子屋で夢のような時間をくれたのだ。

 イマイのロボダッチとか、大好きだったなぁ。ロボZとか、ガマロボとか、レトロでユーモラスな良い味のデザインだった。デザインを担当したのが、『青の6号』などの潜水艦マンガで活躍したマンガ家小澤さとるさんということを私が知ったのは、数年前のことだ。

robodacchi.gif
↑数年前にまんだらけで買ったマンガ
『ロボダッチ』。小澤さとる作で全3
 巻。

 青島の合体マシンシリーズも懐かしい。例えばマッハバロン(往年の特撮巨大ロボット)などは、身体の部品が4つに分けられて、それぞれに番組設定とはなんの関係もないマシンと合体させられていた。例えば車のボンネットにいきなりマッハバロンの顔だけついているマシンとか、それはもういい加減で荒っぽいデザインだった。でもそこがなんだか夢があったかんじだ。それで4つマシンを買わないとマッハバロンが完成しないので、コンプリートする楽しみもあった。

 カード関係は、当時大ブームだったアニメ『宇宙戦艦ヤマト』のカードをよく買った。集める楽しみもあったが、カードをメンコのように使って遊ぶことが主眼だった。机や地面にある相手のカード目がけて、自分のカードを投げつけて裏返す遊びだ。単純な遊びだが、ひっくり返すのにはなかなかコツがあって、難しいのだった。今は『デュエルマスターズ』とか『オシャレ魔女ラブandベリー』など男女それぞれにカードゲームがある。昔より遊び内容は知的になり、より購買意欲をかき立てる仕組みになっているが、カード好きでコレクション好きというのは子供の嗜好の普遍性かなと感じる。

 サービス屋の隣には、映画館があった。映画館と文化や経済を共存共栄しているような店だったが、私が中学生くらいの頃、映画館が潰れた。それからまもなくして、サービス屋もなくなったようだ。コンビニとレンタルビデオ屋さんに文化・経済圏が代わり、それについていけなくなったのかもしれない。今ではそこは、コンクリートの駐車場になっている。

 オモチャ屋さんやスーパーみたいな整然とメジャーな品が並ぶ店ではないけれど、駄菓子屋はマイナーでB級感たっぷりのお菓子とオモチャが渾然とした世界であった。いい加減だけど、自由な空気があった気がする。

 子供達の悲惨な事件があったりするので、登下校の監視・管理も厳しくなったようだ。売られているオモチャなども、大人達の綿密な市場リサーチや研究で、巧みに計画的に売られている。すべてにおいて計画的かつ管理されている日本では、チープでいい加減な味わいの駄菓子屋さんの入る隙間は少ないのではないか。

 『ふれあいラジオパーティー』では、現在駄菓子屋を2軒経営されている私と同世代の男性が出演されていたが、自由でゆるい空間の継承に頑張って欲しいものだ。子供達には、ぶらり道草的に楽しむ、良い意味での無駄な空間があっても良いと思うのだけれど。
posted by 諸星ノア at 22:08| Comment(2) | TrackBack(0) | ラジオ
この記事へのコメント
はじめまして、僕もよく、駄菓子屋にいっていました。10円のボタンを押すと丸いガムが出てくるとかありましたね。
遠足の前とかは遠くの駄菓子屋に行ったりしました。そこで同じクラスの子に会ったりしたり今のコンビニにはない楽しさがあったと思います。
Posted by mi at 2006年05月10日 22:34
>miさん
 初めまして。昔の駄菓子屋さんでは、10円20円の世界で、色々買えましたよね。ガチャガチャとか、20円くらいでしたかね。

 遠足の時とか、お菓子は500円(もっと安かったかな)までとか制約があって、それが逆に駄菓子屋とかでどれにしようかと思案するのが楽しいのですよね。

 駄菓子屋は子供だけのコミュニティーでした。
Posted by 告ッノア at 2006年05月10日 22:50

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