
↑表紙。
雑誌『BUBKA』誌上で連載していた、吉田豪がプロレスラーへのインタビューを1冊にまとめた本。
吉田豪は、プロ書評家、プロインタビュアーとして、サブカル分野では有名な人。1970年生まれ。
以前から吉田さんの名前は知っていましたが、最近YouTubeで、水道橋博士の番組に出ていた吉田さんを見て、その異常なほどの情報収集力と視点の面白さに気づきました。
それで今回は私の好きなプロレスラーの本ということで、購入してみた次第です。
私はプロレスを30年以上見てきましたけど、まだまだ青二才というか、知らなかったことが多いことを痛感。凄い本でした。
インタビュー登場レスラーはー
天龍源一郎、武藤敬司、蝶野正洋、藤波辰爾、ドン荒川、藤原喜明、山崎一夫、船木誠勝、鈴木みのる、宮戸優光、鈴木健、菊田早苗、大仁田厚、ミスター・ポーゴ、マサ斉藤(登場順)。
プロレスは、リング上のことは、お約束の世界ですが、レスラー同士の人間関係は、ガチンコ。あいつは嫌い、あいつはこうだったとか、そこら辺の人間模様が、リングのストーリーにも絡んでくるから、プロレスというのは、虚と実が絡み合った世界であると、再認識しました。
読んで新鮮だったのは、船木誠勝は、真面目そうな雰囲気ですが、静かな狂気というかリアルマッドネスであったこと。船木のかつての仲間、鈴木みのるは、現在「世界一性格の悪い男」としてヒールで活躍してますが、船木と対照的に、しごくまともな考えの人でした。
元UWFインターナショナルの代表・鈴木健は、とんでもない遊び人。女遊びが凄すぎる。1億円トーナメントの仕掛け人は、実はこんな人だったんだなぁ。
そして、極悪人・ミスター・ポーゴの、良い人ぶりが炸裂!
詳しいことは、ネタバレになるので、昭和プロレス好きには、是非読んで欲しいです。
プロレスって、試合よりも、本人の面白さが魅力なのかもしれない。
そんな面白さを引き出す、吉田豪さんの手腕が光ります。
相手のレスラーについての事前の取材力が高いから、聞かれた方も話が早い。
それと相手の懐にスッと入る仕掛けのタイミングが、絶妙というか。押したり引いたりの駆け引きをして、それでインタビューを成立させてしまう。
吉田さんもまた、プロレスラーなのかもしれません。ペンを持ったプロレスラーといった感じでした。
※プロレスです。
FMW、1990年2月12日、後楽園ホールにて。有刺鉄線バリケードマット・マッチ時間無制限1本勝負、大仁田厚vs栗栖正伸。
FMWの草創期デスマッチですね。場外に、有刺鉄線を絡ませたマットを敷き詰めた試合。
元新日本の栗栖は、張り手や頭突きの当たりも激しい。強さを標榜していた頃の新日で育ったレスラーは、技の強さが違いますね。大仁田も、ちょっと腰が引けてるっていうか。
それでも、大仁田と闘ったことで、一介の中堅レスラーだった栗栖は、輝くことが出来たと思います。
【有刺鉄線バリケードマット・マッチ】大仁田厚vs.栗栖正伸 1990 Japan
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