松本先生のマンガは、私としては久しぶりに読みます。

↑『セクサロイド』第1巻。
『セクサロイド』は、タイトルは知っていましたが、今まで未読でした。それがこのほど文庫版として、復活。早速手に入れた次第です。
本作は、1968年から2年間、『漫画ゴラク』(日本文芸社)にて連載されたお色気SFスパイ物。
松本先生が、30歳の頃描かれた作品で、線が若々しい。そして、セクサロイド=ユキの、なんと美しいこと。
松本漫画の大きな魅力の1つが、美女ですよね。
セクサロイドについて説明しておきますと、アンドロイドのことです。それも、セックス機能を完備した、まったく精巧なアンドロイド。
そのセクサロイドのユキが、パートナー(恋人)のスパイ、シマ(コードネーム・G3)とスパイ任務に、セックスにと、励む内容です。
ユキがシマに接する様子を見ていると、恋人なんですけど、時に母のようなんですね。エッチもするけど、ただ胸に抱いてくれるだけの時もある。
母のようで恋人のようで、そんな女性像は、松本先生の理想像なのかもしれません。
しかし、日本の男子は、女性に対しては、そんな憧憬を持っているかもしれません。大きく言えば、大いなる母性に抱かれていたい、そんな感覚。
ユキは、シマの浮気を時には許しますし、彼が悲しい時には、自分の身体で慰めてくれます。まぁ、ユキは、好き者なだけな気もしますが、フェミニストから見たら、男に都合のイイ女として、非難されるかもしれません。
松本零士という、「男」が描いた女性像ですから、それは、男の身勝手な空想が入るのは仕方がないところ。私も、男子ですから、ユキみたいなセクサロイドに抱かれてみたいですし。
掲載誌が青年誌なので、お色気物なのはそのせい。読者も青年男子ですから、こういう内容になるでしょう。
今もこの作品は、おそらく松本ファンの、男子しか読まないでしょうね。
そういう意味で、正しく男向けに描かれたマンガ。
この作品を読むと、私はユキの裸身に抱かれて眠るような、子守歌を聞かされているような、心地よい感覚を覚えます。任務に疲れたシマを、身体で癒すユキのような母性を感じます。男性読者なら、同じように感じるのではないでしょうか。
結局は、男より女の方が、器がでかい!ということをも、再認識させられる作品です。
それにしても、絵が良いな〜。絵だけ眺めていても、癒される作品です。
癒される・・・。
松本先生の描く強弱がハッキリついたやわっとした線が、なんか「もてない男のにおい」を放っているんですよ。表現として適切か分からないですが、「童貞臭」を感じるんですね。
この作品とほぼ同時期に描かれる『男おいどん』なんかは、今で言う「非モテ系」男子の話ですし、多分松本先生は、モテモテの男性ではなかったから(先生、すみません!)、『おいどん』が描けたのでしょう。
だからこそ、私のようなもてない男は、この作品の「線」がはなつにおいに、安心してしまうのです。
※懐かし特撮ヒーロー『光速エスパー』(1967年/宣弘社)から、OPを貼ります。
コミカライズ作品として、あさのりじ版と、松本零士(松本あきら名義)版があります。
あさのりじ版は、近年マンガショプから、復刻版が出ました。松本版も、復刻して欲しいところです。
光速エスパー_OP.mpg
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私も非モテだから童貞臭わかります
ノアさんも童貞ですか?
TAKEさんも松本零士のファンでしたか。彼の作品には、非モテ男子のロマンを感じます。
私は個人的に松本氏の弟子で、さらに独創性を高めた作風と女性表現をパワーアップさせた新谷かおる氏の作品がもっと好きですが…。
確かに松本先生のあの絵柄、メカデザインなどは、独創的ですよね。あの個性の強さが、今なお支持されるゆえんでしょう。
それプラス、私は松本マンガに、モテない男のにおいというのを、感じるんです。