2014年12月06日

高荷義之先生トークショー&サイン会@弥生美術館

 ボックスアート界の大家、イラストレーター高荷義之先生(79歳)のトークショー&サイン会に参加です。

 現在、東京都文京区にある、弥生美術館にて開催中『鋼の超技巧画報 荷義之展』に伴うイベントです。

 開催場所は、同じく弥生美術館。

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↑弥生美術館。ピンぼけしちゃった。

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↑展覧会ポスター。

 整理券配布は、開館10時より。グッズ売り場にて、1,000円以上購入した人対象に、ひとり1枚配布。

 会期中2回トークショー&サイン会があって、今日はその2回目。前回を逃した私は、本日は必勝を期して参戦。

 10時20分頃現着すると、すでに館内は、見た目40歳以上のおじさんだらけ。私もそうですが(苦笑)。 

 高荷先生は、広く知られているのは、ボックスアート。つまり、戦車が軍艦などのプラモデルの箱絵の仕事で知られている方。

 80年代からは、『超時空要塞マクロス』などアニメプラモの箱絵も描いているので、そういうファンも多いでしょう。

 私はと言いますと、高荷先生のお名前は、恥ずかしながら、2000年代以降に知りました。すごく後追いで知ったのですが、無意識に戦艦などプラモの箱絵で、どこかで見たことはあったでしょう。

 で、整理券は無事ゲット出来ました。『高荷義之 鋼の超絶技巧画報』(河出書房新社)と絵はがき4種を購入で、整理券ゲット。

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↑『高荷義之 鋼の超絶技巧画報』。

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↑絵はがき4種。

 60番台です。10時20分着で、60番台。
 
 先着100名様だったから良かったものの、50名限定だったら、アウトだったでしょう。

 さて、サイン会は、午後3時から。

 その前に午後2時から、高荷先生のギャラリートークショーがあります。


 所用を足して、再び来館。

 トークショーには、20分程遅刻してしまったため、冒頭部分は聴けず。

 美術館1階でトークショーが開催中でしたが、もう満員で入れず、スピーカーで声だけしか聞こえない。

 スタッフが2階のスピーカーの方がよく聞こえますからどうぞという案内だったので、2階の展示会場でトークを聴いてました。

 すると、高荷先生とスタッフさん達が、今度2階に移動してくることが分かり、今度はわりと最前列で座って高荷先生のトークの聴くことができました。

 聞き手は、『高荷義之 鋼の超絶技巧画報』著者だと思うのですが、弥生美術館の学芸員・堀江あき子さん。

 堀江さんの質問に、飄々とお答えになる、高荷先生が印象的でした。

 2階には、主に少年雑誌などへの口絵グラビアや、挿絵の仕事の展示が多いのですが、高荷さん曰く、「ボックスアート(箱絵)が真骨頂って言われるけど、僕は挿絵の仕事の方が、思い出が多いです。雑誌の仕事をすることで、締め切りまでに仕上げるという技術を身につけられたんで、それが後々の仕事に非常に役に立ちました」

 集まったファンからの質問コーナーで、「アニメロボットなどのイラストなどリアルに描かれてますが、放送はご覧になったのですか?」という問いには、「剣を持ったロボット同士の戦いたら、鞍馬天狗とか、銃を持ってるロボットなら西部劇とかに見立てて描いただけで、アニメは全く見てません。見てたら、こういうのは描けません」と、飄々と答えて笑いをさらってました(笑)。

 その後、サプライズゲスト!

 はるばる北海道・函館から、マンガ家の小澤さとる先生が質問コーナーに登場!

 小澤さとる先生と言えば、『サブマリン707』などの潜水艦マンガのパイオニアですし、今井科学から出たプラモデル、ロボダッチ・シリーズの生みの親です。

 堀江さんにマイクを振られた小澤先生は、なんでも高荷先生にお礼を言いに来られたとか。

 昭和39(1964)年『週刊少年サンデー』連載中だった『サブマリン707』は、憲法違反マンガだとPTAに悪書扱いで、しかも人気もなく、ファンレターも月に7通ほどだったそう。

 もう連載を打ち切ってマンガ家を辞めようと思っていた時、高荷先生が昭和39年『サンデー』20号表紙に描いたサブマリン707のお陰で、ファンレターが月に70通も束になってくるようになって、マンガ家を辞めずに済んだ。だから、いつかそのお礼を言いたくて今日になってしまったーということでした。

 実はお二人とも、今日が初対面だそうです。

 ちなみに、そのサブマリン707の原画は、現在行方不明だとか。

 飄々とされてた高荷先生も、うっすら目が潤んでいるように見えました。こちらももらい涙というか、感動の場内。

 感動のウチに、トークが終了。

 続いて、サイン会です。

 サイン会は整理券番号順なので、順番が来るまで館内をぶらついていると、業界人が多いですね。

 イラストレーター開田裕治先生と奥さまや、海洋堂・宮脇修一さんやら、もうオタク上がりの業界人がおられます。高荷先生とお近づきになりたいという感じでしょう。

 1時間ほど間って、ようやく整列出来ました(苦笑)。そこからさらに、20分程待ったかなぁ。

 サイン会は、1階ロビーで行われます。

 サインしてもらうアイテムは、1,000円以上ここで何か買えば、あとは持参したものでもかまわないようです。ただし、どんな場合でも、1点のみです。

 それと、ツーショット撮影不可。

 本展覧会に合わせて発売された『高荷義之 鋼の超絶技巧画報』の方が多いです。次いで、館内で売られている、戦艦のポスターなど。

 プラモデルの箱絵持参の方が、わりと散見されましたね。

 私の前の方は、高荷先生が描かれた『風の谷のナウシカ』のポスターを持参されてましたね。てか、描かれたんですね−。邪推ですが、『ナウシカ』も作品見ないで、絵を描かれたのでしょうか。

 ついに私の番。

 私は、『高荷義之 鋼の超絶技巧画報』にサインを頂きました。

 先生には、ローマ字と漢字のサインがあるようなので、ローマ字でお願いしました。

 ただ私の縦書きの芳名を入れた関係で、ローマ字サインのバランスが取りづらくなってしまったようで、窮屈な構図になってしまいました。先生すみません。

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↑高荷先生サイン。

 芳名なしの方が、良かったなぁ。

 そしてガッチリ握手させて頂いて、退出。

 とても79歳には思えないほど、お元気で握手も力強かったですね。

 改めて展示を見直すと、中学生時代のスケッチがあるんですが、もうすでに超絶な描写力で、モノが違います。

 コピー機がない時代ですから、図書館にあるインディアンや馬などの図鑑などを、丁寧に描き写していたようですし、映画の場面もノートに再現されたり、天賦の才に加え、日常から鍛えられていた感じです。

 今日のパソコンによる安易なコピー&ペーストが如何に人類を劣化させているかも考えさせられます。

 ただトークショーで高荷先生が話してられましたが、ご実家は戦前の紙が少ない時代にしては珍しく、何故か子供が落書きできる紙が豊富にある家で、しかもお兄さんがとても絵が上手な方だったそうで、兄のマネをして自然と気負わず絵を描くような環境だったそうです。

 だから上記のことも、努力や苦労と思わずに、普通のことだったのでしょうね。

 お仕事道具の展示がありましたが、ごく普通の水彩絵の具と面相筆。アクリル絵の具には、アクリル絵の具用の筆で、あまりこだわりがないみたいです。

 『高荷義之 鋼の超絶技巧画報』の中に書いてありましたが、エアブラシなどという、面倒臭いことはしないという、痛快さ。技術力があれば、エアブラシはいらないということでしょう。

 小澤さとる先生との邂逅(かいこう)という感動もあり、有意義な展覧会でした。

 高荷先生、お疲れ様でした!


※『サブマリン707R』(2003年/原作:小澤さとる/アニプレックス)予告編をどうぞ。

サブマリン707R 


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