松本零士先生&りんたろう監督トークショーは、質問コーナーへ。
参加者から、質問をつのります。
質問A
「りん監督はTV版『宇宙海賊キャプテンハーロック』を演出されてますが、あれには原作にはない女の子、まゆちゃんが出てますけど、どうしてですか?」
りん「TV版は、脚本はウルトラシリーズで有名な、上原正三が書いたんだけど、彼と話をして、ハーロックの男らしさを強調するためにはどうしたらいいか考えて、小さな少女を出せば良いんじゃないかという結論になったんです。実は僕は少女出すの好きじゃないんだけど、松本先生も、少女嫌いなんだよね(苦笑)。それで、松本先生は烈火の如く怒ってね。忘れもしない、台風の日に、プロデューサーと一緒に、松本先生の家に、謝りに行ったんです。怒鳴りあいだったけど、結果的に理解してもらえました」
松本「僕はTV界のことが分からなかったから、その大変さが分かったからね。怒鳴りあい、青春ですな(笑)」
質問B
「映画に「市川崑 監修」ってありましたけど、あの大監督がいると、現場は大変だったのでは?」
りん「実を言えば、市川さんは、なんにもしてないです。昔NHKでオタクを集めた番組で、『999』の映画の演出を、さすが市川崑って褒めているのを見て烈火の如く怒って、NHKスタッフをマッドハウス(りん監督らが設立したアニメ会社)に呼んだんだけど。
映画『999』は、僕が初めて劇場アニメを監督した作品なんだけど、当時の東映動画の社長に、君はTVアニメでは知られているけど、映画界では無名だから、箔をつけるために「市川崑」という名前を使いたいって、言われたんです。ギャラは市川監督の方が上でね。それで市川監督はなにするんですかって社長に聞いたら、脚本読んでもらうくらいって言ってたので、それじゃ申し訳ないから、出来上がったフィルムのラッシュを市川監督に見てもらったの。そのくらいで、何もしてないんです」
松本「さっきの話(キャプテンハーロックにまゆを出した件)だけど、面と向かって時にケンカをするってのは、お互い真意を隠し通さないってことで、それでけお互い真剣だったということなんです。これは、大事なことです」
りん「過去、手塚先生や石ノ森先生など、たくさんのマンガ家とアニメを作ってきましたけど、松本さんほど深く付き合ったマンガ家は、いなかったですね」

↑質問に答えるりん監督。
質問C
「『さよなら銀河鉄道999』(1981年)は、どういう経緯で作られたのですか?」
りん「僕は、実はやりたくなかった。1作目で燃え尽きてしまって、やることがないから、何度も監督を断ったんです。でもプロデューサーの高見さん(東映動画の高見義雄)が何度も口説くから、仕方なく。どうせやるんだったら、1作目の塗り直しじゃなくって、ドキュメントタッチでやろうと思ったんです。だから、ああいうゲリラ戦っぽい映画になりました。あれはあれで、気に入ってます」
松本「高見さんは、いっしょにアフリカ行って、ワニを食べたなぁ。美味かった。今、息子もプロデューサーやってますよね」
というわけで、トーク終了。
最後は松本先生とりん監督が、熱い握手。「当時一緒にアニメ作った仲間は、亡くなってしまった人が多くて、だから今日は彼と会えて、本当に嬉しい」と松本先生。
りん監督が退席され、先生も一旦引っ込んで休憩を入れるかと思いきや、そのままサイン会へ。元気です。
私の整理券番号は若いので、順番はわりと早めにきました。
なおサインは、『銀河鉄道999』第1巻のみです。

↑松本先生、サイン中。

↑頂いたサイン。
ちなみに、先生のご厚意でツーショット撮影可能なので、サイン後、書店スタッフさんにデジカメを預けて、撮ってもらいました。
こうして、サイン会参加、無事終了−。
松本先生は、相変わらずお元気そう。
この日のトークを聞いて思ったんですが、先生が歳を重ねる事に、端から見ると暴走気味に作品への思いが強く重く見受けられるのは、亡くなったアニメ関係者や、手塚先生や同年同日生まれの石ノ森先生の分まで背負って、マンガを描こうとされているからではないかと、感じました。
そしてりんたろう監督から、知られざる映画の裏話を聴けて、貴重な時間でした。
松本先生、りん監督、ありがとうございました!
※映画版『銀河鉄道999』から、ゴダイゴで「銀河鉄道999」。映画のラストシーンから、どうぞ。
鉄郎の叫び声で、もう涙腺崩壊。そして、城達也のナレーションにしびれる。
銀河鉄道999 エンディング 劇場版オリジナルED
銀河鐵道999( ゴダイゴ) THE GALAXY EXPRESS 999
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