2014年09月07日

『川瀬巴水展−郷愁の日本風景』@川越市美術館(埼玉)

『川瀬巴水展−郷愁の日本風景』に行ってきました。

 場所は、埼玉県。川越市美術館。

DSCN4288S.gif
↑川越市美術館。

DSCN4289L.gif
↑看板。

 川瀬巴水(かわせ・はすい/1883〜1957年)は版画家で、今年になってネットでその版画を見てから、興味を持っていたのでした。

 巴水は、大正から昭和にかけて、東京を中心とした日本各地の風景を版画に残した人で、透明感のある青色が印象的な作風なんです。

 それと、穏やかな清涼感と、静寂さが感じられると言いますか。

 川瀬巴水は、師匠の日本画家・鏑木清方(かぶらき・きよかた)のように美人画が描けずに行きづまっていたところ、同門の伊東深水(いとう・しんすい)の版画「近江八景」に影響を受けて、版画家へ転向したそうです(以上、ウィキより)。

 ちなみに伊東深水は、女優・朝丘雪路のお父さん。
 
 巴水は、新時代の浮世絵を模索する浮世絵商・渡辺庄三郎の協力の元、独創的な浮世絵版画を次々と発表し続けていったのでした。

Akashicho-no-ugo-2014-L.gif
↑絵はがき「東京二十景 明石町の雨後(昭和3年)」。


 私は浮世絵のことはほとんど知らないんで、今回展示で驚いたことが多かったです。

 まず巴水は、版画の元になる絵、完成予想図を、水彩画でびっちり描き上げてます。もうこれで完成で良いくらいの出来上がりです。

 ここから薄い和紙をトレーシングペーパー代わりにして、墨で主線を写し取ります。

 ここからは、彫り師が写し取った主線を元に、板に主版を彫っていくわけですね。

 さらに驚くべきことに、色刷りの工程が、多い物で42工程もあること!

 パーツ事、陰影ごと、色事に、慎重に色を刷り上げて行く様が、ビデオ上映で紹介されてました。

 薄い色から、段々濃くしていく感じですね。水彩画の塗る順番みたい。

 今デジタルで絵を描く人なら、例えば色や陰影などをレイヤー(階層)に分けて、全体の色味を調整しながら制作するのと、感じが似てる気がします。

 ただ彫った版木は修正は効かないでしょうから、そこは職人的な熟練の技が必要でしょうね。デジタルソフトのように、誰でも簡単に修正できるもんではないでしょう。

 深く、それでいて透明感のある色は、気の遠くなるような色刷りの工程を経て、刷られているわけですね。

 
 そんなわけで、鑑賞終了−。


 お腹が空いたので、美術館隣の博物館にある、「山吹」というお食事処へ。

 昼時だったので、家族連れや、シルバー世代が多くいました。

 日替わりランチが、ハンバーグ定食だったので、それをオーダー。

DSCN4291L.gif 
↑ハンバーグ定食。

 隣でお母さんと一緒にいた4歳くらいのオチビちゃんに、「ボクとおんなじハンバーグだね〜」と話しかけられつつ、食す。デミグラスソースで、少し小振りのハンバーグだけども、普通に美味しいです。

 小鉢で冷や奴がついてるのが、家庭的で嬉しいランチでした。800円。


※朝丘雪路さんが、『アルプスの少女ハイジ』のハイジ役で出演「エースコック スープはるさめ」CMです。

エースコック スープはるさめ「ハイジ登場」 比嘉愛未 速水もこみち 朝丘雪路


人気ブログランキングへ
↑ランキングに参加しています。よろしかったら、ポチッとお願いします<(_ _)>
posted by 諸星ノア at 19:48| 展覧会めぐり