2014年08月02日

ハリウッド版『GODZILLA』

 映画『GODZILLA』を観てまいりました。ハリウッド版『ゴジラ』です。

 
 いやぁ、予想以上に良く出来てる!面白い!

 以下ネタバレあるので、未見の方はスルーして下さい。



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↑ゴジラ2014。パンフレットより。

 今作は、ギャレス・エドワーズが監督をしております。

 私は洋画にまったっく疎いので、ギャレス監督のこともほとんど知らなかったですけども、ゴジラの大ファンだとはうっすら知ってたんです。

 映画を観て、ゴジラ・フリークだということが、大納得。細部にわたり、ゴジラシリーズを見込んでいるのが分かります。


 主人公は、フォード・ブロディ(演:アーロン・テイラー=ジョンソン)という若き米海軍・爆弾処理の将校。両親は、日本の原発で働いていたエンジニア。看護師の妻エル(演:エリザベス・オルセン/めちゃくちゃ可愛い)と、5歳の息子がいます。

 このフォードとその家族の目を通して、ゴジラと新怪獣ムートーというの巻き起こす事態に、周囲が巻き込まれていく様子を描いてきます。

 なお日本人キャスト、「世界の」渡辺謙は、芹沢猪四郎博士役。未知の大型生物を追う国際秘密組織「モナーク」の科学者です。

 芹沢博士は、父親が広島で被爆死している設定で、原爆が投下された8月6日で止まった父の懐中時計を持ち歩いています(ちなみに芹沢猪四郎とは、『ゴジラ』第1作に登場する科学者・芹沢大助博士と、『ゴジラ』を監督した、本多猪四郎に敬意を評した名前でしょう)。

 家族の愛や夫婦愛、親子愛という強いストーリー軸があり、そこら辺はハリウッド映画らしい。

 さらにムートーにも、雄と雌の種族愛や性愛が描かれており、徹底してます。

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↑雌ムートー。雄は雌より小柄で、翼がある。パンフレットより。

 そういうストーリー軸に、怪獣に立ち向かうアメリカ軍の軍事シミュレーション映画としての側面もあり、ムートーの昆虫的な繁殖行動などとあいまって、金子修介監督の平成ガメラ三部作に、作風が似ているようにも感じます。

 平成ガメラシリーズ自体が、金子監督の『ゴジラ』シリーズへのオマージュが詰まっており、国会や自衛隊がどう行動するかを緻密に描いている映画だったからです。

 本作では、実はゴジラはなかなか出てこないで、人間側の話が長めなんですけども、飽きさせないのは、上述の家族愛などが丁寧に描かれているせいでしょう。

 フォードが数々の危険にさらされ、その度に間一髪生還するという、ジェットコースタームービー展開が、飽きさせない。館内から「あの人死んじゃったの?」とお父さんに聞いてる子供の声が聞こえてきて、ゴジラが出てこなくても、こういうやり方なら子供さんは飽きないんだなぁと実感。

 中盤から、怒濤のように雄ムートーvs米軍、雌ムートーvs米軍、雄ムートー&雌ムートーvsゴジラの2対1変則マッチが、ド迫力の映像で展開します。

 ここぞという時に、ゴジラの放射能火炎(英語では、アトミック・ブレス)がムートーに炸裂!劇中では2発だけでした。必殺技を乱発しないところが、アメリカンプロレスっぽい。


 また核の恐怖ということを、エドワーズ監督は忘れていない。

 日本が東日本大震災による原発事故を経験したことを踏まえた形、つまりフォードの両親が日本の原子力発電所で謎の事故を経験することから映画が始まるのです。単なる娯楽映画にはなってない。おそらく今の日本では、政治的なニュアンスが強くて、出来ないかもしれません。

 さらにアメリカのネバタの核処理施設にも触れており、アメリカの暗部にも触れております。

 アメリカ映画は、自分たちに都合の悪いことにも目を向けようとする視点がありますが、日本人は目をつぶる傾向がある。私もそういうところあります。

 あるいは気骨ある人が、現政権の原発政策に批判的な話をやりたくても、商業ベースでは難しい感じです。河崎実監督が『地球防衛未亡人』(2014年公開)を制作する際も、原発問題が絡む関係で、スポンサー獲得が難しかったとか。

 本来なら被爆国であり、原発事故が今なお進行中であるからこそ、エドワーズ版『GODZILLA』のような『ゴジラ』が、我が国で作られなければならないでしょう。

 そういう日本の良くない面について、本作を観ることで、逆に気づかされた気がします。

 まぁ米軍が正義を守るカッコイイ軍隊って感じは、強調されてる感じはありますけれども、ね。そこら辺のバイアス(偏り)は、注意して見ないといけないでしょう。


 映画のラスト、破壊したビルの間から、咆吼を上げて海中に去るゴジラの荘厳さに、やられたなぁという感想です。

 もう円谷プロは、ちまちま『ウルトラマンギンガ』作ってる場合ちゃうやろ、って思ってしまったり。

 こういう娯楽でありながら、骨太のテーマがある怪獣映画が日本で出来ず、海外でしか出来ない現状が、情けない気もしてくるようでした。

 そのくらい「ゴジラ」してる映画なので、とにかく怪獣好きだったら、観て損はしない映画だと思います。


※『GODZILLA』予告編です。

「GODZILLA ゴジラ」予告3

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posted by 諸星ノア at 22:33| 特撮&VFX作品・特撮ヒーロー・怪獣